大塚 佑

現在担当している業務は

■平常業務
競馬開催を着実に行うためには、競走馬の健康管理とともに、伝染病の発生を防ぐための防疫管理が不可欠です。防疫課では、馬の定期検査・予防接種のスケジュールやトレーニング・センターにおける消毒作業など、防疫体制の整備や防疫作業計画の策定などを行っています。また、競走馬が海外で活躍する際や外国馬が日本のレースに出走する場合の防疫上の手続きや準備、調整も重要な仕事です。さらに、国内外の学術機関や関連団体から馬の伝染病発生状況に関する最新の知見を集めて情報発信するほか、国内の馬防疫に関する団体の事務局も務めています。
■開催業務
主な担当業務は、レース中に故障した競走馬を救護する事故馬救護です。馬場に待機し、何らかの事故が発生したときは即時に駆けつけて馬の状況を判断します。また、発走前に馬の歩き方に異常が生じた場合は、出走が可能か取りやめるべきか発走委員とともに判断することも獣医師の役割です。いずれもスピードと正確さが求められるため、常に緊張感をもって臨んでいます。本部に異動してからは、競馬場やウインズで投票業務に携わる機会も加わりました。勝馬投票券発売の最前線に立つという、臨床の現場では経験したことのない業務に新鮮さを感じています。

JRAを就職先として選んだ理由は

小学生の頃、伯父が一口馬主として競走馬を所有していたことがきっかけで競馬が好きになりました。獣医師を目指したのは、高校生のときに当時獣医学生だった兄から話を聞き、競走馬の獣医師という職業に興味を持ったからです。大学時代は、東京競馬場の競走馬診療所でアルバイトを経験し、実際に獣医師の仕事の様子を垣間見ることができました。また、トレーニング・センターや競走馬総合研究所へ研修に行く中で、職場の雰囲気の良さや仕事のやりがいを感じて「JRAで働きたい」と思ったことが入会を決めた理由です。

やりがいを感じることは

臨床の現場では、自分が治療した馬が回復し、その後無事にレースに出走することに最大の喜びがありました。現在は、臨床とは異なる獣医師としての役割に責任とやりがいを感じています。業務上、馬の伝染病や検疫に関する獣医学的知識が必要となる場合もあり、新たに学んで習得することも多いです。また、他部署の職員や外部の方と仕事をする機会が増え、これまでにない経験を積み重ねたことで、獣医師としての視野が更に広がった印象を持っています。

これまでに印象深かったことは

臨床獣医師として独り立ちして間もない頃、生死をさまようほど重篤な馬を担当したことがあります。入院は約1ヶ月におよび、先輩獣医師、厩務員の方と昼夜を問わず懸命に治療した結果、なんとか一命をとりとめることができました。その馬は競走馬としての復帰は叶いませんでしたが、その後は乗馬として第二の人生を歩んでいると聞き、命を救った喜びを実感することができました。救えない命がある悔しさを感じることも多い中で、この経験は自信につながり、より多くの競走馬を助けたいという思いの原動力にもなっています。

将来の目標や夢は

厩舎関係者や同じ獣医師の方々から「この人なら任せても大丈夫」と言われるような獣医師になることが目標です。現在は臨床の現場を離れていますが、多岐にわたる業務を経験することにより、獣医師として職員として視野を広げていきたいと考えています。その経験を活かし、再び臨床の現場で命と向き合いたいという思いは強いですね。将来的には、日本ダービーや有馬記念などの大きなレースをさらに盛り上げて、日本中の誰もが注目するような行事になるよう貢献していきたいと思います。

学生へのメッセージ

JRAの獣医師には、臨床現場はもちろん、本部、育成牧場、研究所など、幅広い場所で活躍するチャンスが広がっています。また、新人教育に惜しみなく技術や経験を提供している点も魅力です。一人前の獣医師として成長した後も海外を含めて研修制度が充実しており、恵まれた環境でスキルを磨き続けていくことができます。さらに、毎年新人獣医師が入会するので先輩後輩の絆が強く、とても働きやすい職場です。中央競馬を支える獣医師として、ぜひ一緒に働いてみませんか。

プロフィール
大塚 佑
獣医職 馬事部 防疫課、入会6年目。
1年目~2年目:栗東トレーニング・センター 競走馬診療所 診療課
3年目~5年目:栗東トレーニング・センター 競走馬診療所 防疫課
6年目から現職

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