栗東トレーニング・センター競走馬診療所には約30名の獣医師が在籍しており、競走馬の出走に向けたコンディション管理から病気やケガの治療といった一次診療、MRI等の専門性の高い検査や骨片摘出・開腹等の手術といった二次診療が主な仕事です。
また、予防接種や入厩検疫の実施といった防疫業務、出走診断や薬物の規定・管理といった公正確保も重要な仕事になっています。
現在の仕事
専門性の高い検査や手術など
栗東トレーニング・センターでは常時約2,000頭の競走馬がレースに向けて調教しておりますが、アスリートとしての要素が大きいため骨折や腱・靭帯損傷などの運動器疾患を一番多く診ます。
また、出走に向けた体調管理やアドバイス等も重要な仕事の一つです。手術施設も整っており、骨片摘出や開腹手術等、年間300件近くの手術もしています。
出走後にケガや跛行等の症状がみられた馬に対して、原因の特定のための検査や、初期治療を行うことです。診察後は所属のトレーニング・センター獣医師と情報共有し、競馬場から帰った後も適切な治療が行われるよう調整を行います。
また、出走前に装鞍所で出走馬の馬体検査や健康状態のチェックを行います。
仕事のやりがい
と大切にしていること
と大切にしていること
競走期を全うできたとき、
やりがいを感じる
競走馬は、アスリートであるがゆえにケガも少なくありません。
その中で適切な治療やリハビリを行うことで再びレースに戻れた姿を見れたときや、ケガの予防に努めながら、無事に競走期を全うできたときには安心感とともにやりがいを感じます。
また、馬には多くの方が携わっており、その考え方も千差万別です。その中で良い点は積極的に取り入れ、時には自分を変えられる人間であること、多くの支えがあってこそ自分のやりたいことが仕事になっている現状に感謝することを大切に仕事をしています。
入会の理由
憧れの競走馬との近さに感動した
幼少期から動物が好きで自然と獣医を目指す中で、祖父や当時流行していたアニメやゲームの影響から競馬の魅力に惹き込まれました。獣医と競馬、どちらにも思う存分取り組める環境を探した結果、JRAを選択しました。
試験前にはトレーニング・センターへ研修に行きましたが、臨床現場や開催競馬場での憧れの競走馬との近さ(物理的な近さから、携わる人々との距離感等)に感動し、入会を決めました。
JRAで働く魅力
両面で活躍できる
平日は馬の診療やコンディション管理といった臨床獣医師としての仕事を行い、週末は携わった馬たちが競馬という華やかな舞台で競走する裏方としての仕事を行う。
現場で準備してきたことが、競馬で披露されるというサイクルが毎週継続し、すべての仕事につながりがあります。
獣医師と競馬主催者の両面で活躍できる魅力的な仕事だと思います。
JRAの働く環境
取りやすい環境
週中は平常業務、週末は開催業務とメリハリのついたサイクルで仕事をすることが出来ます。
明るくバイタリティに溢れた人が多いため、自然とどこの職場でも風通しが良く、働きやすい環境が浸透しています。業務中はもちろんですが、普段の何気ない時間でもよく会話することが多く、自然とコミュニケーションが取りやすい環境が整っています。
チャレンジしたいこと
チャレンジしたい
不治の病とされる屈腱炎ですが、治療技術の向上により、レースに復帰できる競走馬も増えています。
一方で、治療には適切なリハビリが必要不可欠で、どうしても大切な競走期間の多くを休養に充てなければいけません。そのため非常にハードルは高いですが、新しい知見や検査法の研究にチャレンジし、少しでも屈腱炎の予防につながるような仕事をしていきたいと考えています。
1 DAYSCHEDULE
1日の流れ
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8:00入院馬の治療・診療準備
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9:00一般診療
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12:00昼休憩
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13:00手術
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16:00エコー検査
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17:00診療終了
引き継ぎ症例ディスカッション(週3日) -
19:00重患馬の診療(当番制)
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20:00退勤