競走馬の病気に対する治療・検査といった一次診療、骨片摘出や開腹の手術といった二次診療が主な業務です。現在私は一次診療がメインですが、日々の調教に対するアドバイスをするなどスポーツドクターとしての側面があることが特徴の1つです。また、主催者の獣医師として、入厩検疫や予防接種といった防疫業務、薬物の規制・管理といった公正確保にも携わり、信頼される競馬開催を裏側から支えています。
現在の仕事

調教へのアドバイスも行う

トレーニング・センターでは、競走馬の診療・手術業務、入厩検疫といった防疫業務、禁止・規制薬物の管理といった公正確保が主な業務です。全ての業務に携わりますが、現在の部署では海外遠征に関する防疫業務もあります。

競馬場で、出走直後の競走馬への治療や競走中に事故が発生した場合の対応などを行っています。平常業務と独立したものではなく、日々トレーニング・センターで培った知識と経験を元に迅速かつ正確な判断が求められます。
仕事のやりがい
と大切にしていること

と大切にしていること
絶対的な正義にしない
競走馬は特殊でストレスの多い環境下で日々調教に励むトップアスリートです。動物はもちろん言葉を喋れませんが、どこが痛むのか、どのような処置が最善なのか、厩舎関係者の方々が何を望んでいるのかを日々考えながら治療を行います。その中で大切にしているのは、「自分の知識や経験を絶対的な正義にしないこと」です。厩舎関係者の方々は、馬を最も理解しているスペシャリストです。彼らの豊かな経験と知識を尊重し、対話を通じて最適な治療方針を導き出す努力をします。治療した馬が無事レースに出走し、怪我なくトレーニング・センターに戻ってきてくれることは大きな喜びです。馬の健康を守り、レースの信頼性を担保する最前線の仕事には大きな緊張感が伴いますが、それ以上に深いやりがいを感じています。
入会の理由

熱狂的な一体感に魅了された
大学での馬に関する講義やトレーニング・センターでの研修を通じて競走馬に興味を持ちました。そして競馬場を訪れた際、力強く疾走する競走馬の姿とお客様の熱狂的な一体感を目の当たりにし、スポーツエンターテイメントとしての競馬に魅了されました。獣医師として、トップアスリートである競走馬を間近でサポートし、競馬を支えたいという思いから入会を決めました。
JRAで働く魅力

深く関われること
普段は、競走前のトップアスリートを支える地道で厳密な仕事に取り組みます。日々自己研鑽の積み重ねであり、時には一刻を争うような緊張感のある現場にも直面します。しかし、その先に待つのは、華やかな競馬開催に貢献できたという大きな達成感です。競馬場でお客様が熱狂する姿、歓喜に包まれる空間を目にする瞬間、これまでのすべての努力が報われたと感じます。プロフェッショナルとしての誇りとスポーツエンターテイメントを支える喜び、その両方を感じられる仕事です。
JRAの働く環境

高め続けられる
競走馬の命を扱う仕事であるため、体力的・精神的にきつくなる時もあります。しかしJRAでは、チーム医療を徹底しており、お互いにフォローし合いながら業務に取り組める環境です。特に、症例について相談しやすいオープンな雰囲気が根付いています。経験豊富な先輩や同僚と知識を共有し、最善の治療方針を導き出すことで、獣医師としての専門性を高め続けられることが大きな魅力です。一人ではなく、「馬のために」という共通目標を持つ仲間と共に働ける、安心感と成長の機会がある職場です。
チャレンジしたいこと

取り組んでいきたい
臨床獣医師としてはまだまだですが、いずれは獣医師として専門分野を持つことが目標です。具体的には、大学時代に専攻していた病理学と臨床分野を組み合わせた研究や「スポーツドクター」としての役割を深めること、スポーツ科学の分野にも興味があります。
オフ時間の過ごし方

基本はシフト制のため、連勤が続くことも多いですが、
その分メリハリをつけてプライベートを充実させることが可能です。
長期休暇を取得できる場合もあり、
そのような時には海外旅行に行くこともできます!
1 DAYSCHEDULE
1日の流れ
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8:00出勤・診療準備
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8:30入院馬治療
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9:00一般診療
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10:00入厩検疫
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12:00昼休憩
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17:00診察終了、症例引継ぎ(週3日程度)
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19:00重患馬治療、急患対応(当番制)
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20:00自己研鑽(技術練習・
教科書を読む等)
・退勤
